ハッピーバースデートゥユー♪
誕生日に歌うこの歌、誰もが一度は聞いたり歌ったりしたことがあるのではないでしょうか。
でも、このあとに続く“特別なかけ声“と“お祝いの歌”があるのはご存じですか?
私はアイルランドに来るまで全く知りませんでしたが、
アメリカやイギリスをはじめ、その他の英語圏では超有名だそうです。
日本の誕生日の祝い方の一般的な流れは、
みんなで『Happy birthday to you』 のうたを歌って、ケーキのキャンドルの火を吹き消し、周りの人が「おめでとう~」と拍手をして終わりですよね。
ここアイルランドでは、それの後にとてもハッピーな気持ちになれる、
大人も子どもも誰もが知っている“お決まりの続き”があるんです!
アイルランドに来た当初は、この“お決まりの続き”を知らなかったので、
働いている保育園でも、夫の家族や友人の誕生会でも一人で周りをキョロキョロ、ポカーンとしていました(笑)
今回の記事では、お決まりのかけ声“Hip Hip Hooray”(ヒップ・ヒップ・フーレイ)と、
それに続く『For He’s a Jolly Good Fellow 』(フォー・ヒーズ・ア・ジョリー・グッド・フェロー)というお祝いの歌をご紹介します!
一体どのような流れでかけ声をかけたり、歌を歌ったりするのかも詳しくお伝えします!
この記事を読めば、もしも明日急にアイルランド人に誕生会に誘われても、
戸惑うことなくパーティーに溶け込めること間違いなしです!
その他にも、
アイルランドの保育園って誕生会はするの?
家に友だちを呼んでバースデーパーティはするの?
そんな疑問にもアイルランド現地保育士の私がスッキリお答えします!
今回の記事が、これからアイルランドで保育士になりたいとお考えの方や、オーペアとして働きたい方、海外の保育に興味のある方、アイルランドで子育て中の方などのお役に少しでも立てれば嬉しいです。
アイルランド流 誕生日のお祝いの流れ
1つ1つ詳しくご紹介する前に、まずはどんな流れなのかをご説明。
- 『Happy birthday to you』をうたう
- (ヒップ・ヒップ・フーレイ!)の掛け合いを3回言う
- キャンドルの火を吹き消す
- (フォー・ヒーズ・ア・ジョリー・グッド・フェロー)をうたう
- 拍手と「イエーイ!」で締める
こんな感じです。
『For He’s a Jolly Good Fellow 』は人によって歌わない事もありますが、
『Hip Hip Hooray!』は、ほぼ必ず言います。
『Hip Hip Hooray!』(ヒップ・ヒップ・フーレイ!)
まずはヒップ・ヒップ・フーレイからご説明。
これは、日本でいう万歳三唱のようなものです。
誰かをお祝いしたり、激励したりする時に言います。
使う場は誕生日だけとは限りません。
代表者1人が「ヒップ・ヒップ」と言い、
それに答える様に残りのみんなで「フーレイ!」と叫びます。
それを3回繰り返します。
3回目はちょっと溜めるようにゆっくり言ったり、大きな声で言ったりすると
さらに盛り上がります!!
代表者「Hip Hip」-みんな「Hooray」
代表者「Hip Hip」― みんな「Hooray」
代表者「Hip Hip」―みんな「Hooray!!!」
Hoorayは日本で言うと「ヤッター!!」「バンザーイ」というような意味です。
日本で応援の時にフレーフレーとかけるかけ声は、まさにこのHoorayです。
子どもたちがだいすきな歌、
“If you’re happy and you know it(日本名:しあわせなら手をたたこう)“の歌の3番の歌詞にも ♪If you are happy and you know it shout hooray!♪ とあります。
イギリス発の子どもに大人気のアニメ「Peppa Pigぺパ・ピッグ」でもセリフの中でよく登場します。
Hip と言っても、おしりという意味ではなく、ただ単にみんなの注目を集めるための音だそうですよ。
ちなみに、『Hip Hip Hooray!』はイギリス発祥だそうで、どうやらアメリカではやらないようです。
『For He’s a Jolly Good Fellow 』(フォー・ヒーズ・ア・ジョリー・グッド・フェロー)
この歌は、保育に関係なくアイルランドで生活する上で知っておいて全く損はない歌だと思います。
歌詞にはイギリス版とアメリカ版があり、最後の一部だけ歌詞が変わります。
アイルランドではイギリス英語を話すのでイギリスバージョンを覚えましょう!
歌う対象が女の人の場合はheの所をsheに変えて歌います。
For she’s a jolly good fellow
こんな感じです。
イギリス版 歌詞/日本語訳
ご参考までにアメリカ版もご紹介しますと、
アメリカ版 歌詞/日本語訳
以下、歌について簡単に説明をさせていただきます。
日本人にこそあまり知られていませんが、英語圏では『ハッピーバースデートゥーユー』に次いで有名なバースデーソングだそうです。
とはいえ、誕生日だけに歌われるのではありません。
結婚式や昇進、定年退職、子どもの誕生時、スポーツで優勝した時など、
祝いの席で誰かを褒めたたえる時に歌われます。
映画やドラマなどの誕生日のシーンでたびたび登場するのは『ハッピーバースデートゥーユー』ではなくこの歌の方が多いそうで、その理由は、著作権の問題があるからだそうです。
原曲は18世紀にフランスで作られ、戦場に行った夫を待つ妻を歌った歌でしたが、
19世紀にイギリスでFor He’s a Jolly Good Fellowという歌詞で歌われるようになり、
その後1862年頃にはアメリカでも歌われるようになったようです。
もっと詳しい情報が知りたい方は英語版しかありませんが、以下のウィキペディアをご覧ください。
https://en.wikipedia.org/wiki/For_He%27s_a_Jolly_Good_Fellow
アイルランドの保育園って誕生会はするの?
答え
します!!
ただし、日本に比べたら本当に本当にシンプルです。
日本の保育園の誕生日会との違いは?
園の規模や方針によってやり方は違うと思いますが、基本的には、
日本の保育園の誕生会
★毎月どこか1日、園の行事として誕生日会の日がある。
★その月に誕生日がある子を、みんなまとめてお祝いする。
(各クラスごと、0・1・2歳、3・4・5歳の2グループに分ける、
保育園全園児まとめて、など、誕生会の参加人数は園によって違うと思います)
★保育士は誕生月の子に手づくりのお誕生日お祝いグッズをあげる(かんむり、メダル、色ビニールで作った衣装など)
★絵の具で手形を押した、本人へのインタビューやお祝いのコメントを書いたお誕生日の本を一人ひとりにプレゼントする。(保育用品メーカーの既製品を使う園がほとんどだと思いますが、中にはすべて手作りの園もあるのではないかと思います)
★保育士のお楽しみ出し物を披露する。
(人形劇、パネルシアター、歌、ゲーム、などなど)
保育士1人で披露する場合と、複数の保育士が協力して出し物をする場合とあります。
★保護者を誕生日会に招く園も多い。(その月の誕生日の子の保護者のみ)
★誕生会の日の給食が特別メニューだったり、おやつでケーキなどが出る園もある。
こんな感じだと思います。
アイルランドに来る以前に私が働いていた日本の保育園や、実習やボランティアで行ったいくつかの保育園・幼稚園、家族や友人の子どもの通う園がそうでした。
アイルランドの保育園(クレッシュ)
アイルランドでは、日本のような保育園主催、かつ保育士主体の大々的な誕生会は基本的にはしません。
誕生会は各クラスごとに行い、その日に誕生日の子だけを祝います。
保護者が誕生会の為にクラスに来ることもありません。
保育連絡アプリを使って、子どもがケーキの火を吹き消す様子などの写真を保護者に送ると喜ばれます。
誕生会をするかしないかはあくまで各家庭の保護者からの希望によって決まり、誕生会をクレッシュでやってもらいたい人はケーキとロウソクを自分で用意し、持参するという姿勢です。
保護者はクラスの子どもの人数を保育士に事前に確認し、量が足りない事のないように気を付けます。
アレルギーのある子への対応として、ナッツ類の含まれた食品は絶対に持ち込むことができません。
丸いホールケーキを持ってくる人もいれば、
人数分のカップケーキ(アイルランドではフェアリーケーキと呼ぶ事も多いです)を持ってくる人もいます。
コロナが流行する以前は手作りのケーキを持ってくる人も多かったのですが、コロナが流行ってからは、感染防止の一策として市販の物かカップケーキのようにシェアしなくてよいものが好まれるようになりました。
クレッシュでの誕生会(パーティー)はどんなことをするの?
おやつ、もしくは昼食の時間にみんなで誕生日の歌を歌って子ども持参のケーキを食べ、そのあと音楽に合わせて各々が思い思いにダンスをする程度です。
ただ、あくまで私の知っている範囲ですので、園によっては人形劇や出し物をする保育士もいるのかもしれません。
保育士からもらえるものは?
保育士からは、簡単な誕生日カードや手作りのかんむりなどを誕生日の子に渡すことがほとんどですが、それが無かったからと言って特に文句を言う保護者はいません。
(多くの保護者は、園から保育士手作りの何かをもらうことを予期すらしていない事が多く、簡単であろうが何だろうが、皆とても喜び、感謝してくれます。)
ご参考までに、私が今まで作ってきた簡単な誕生日カードの例をご紹介します。
A4のカラー画用紙を半分に折って見開き型のカードを作るのがよくやる方法ですが、
作品によっては折り目をつけたくないので折らずにそのまま渡すこともあります。
・子どもの写真を撮ってプリントアウトし、カードに貼る
・クラスの子どもたちの指紋をいろいろな色の絵の具で取り、フィンガープリントアートとして気球や風船、花、動物、などをカードの表紙に作る
・クラスの子どもたちのお絵かきを小さく切り取ってカードに貼り合わせる
・クラスの子たちの手形をいろいろな色の絵の具で取り、切り取って花束のように貼る
などなど。
大体はクラスの子たちの参加型のカードを作ることが多いですが、園が写真を撮って印刷できる環境なら写真も本当に喜ばれます。
かんむりを作る場合は、私は誕生日の子の手形を貼ります。
あとは誕生児本人のお絵かきやフィンガープリントなどで飾り付けをします。
キラキラのグリッターを木工用ボンドで貼り付けたら子どもは大喜びです。
家に友だちを呼んでバースデーパーティはするの?
3歳以上になってくると、各家庭で週末に誕生パーティーを企画し、同じクラスのお友達を誘う子どもたちが増えてきます。
外国の映画では自宅のリビングルームや庭でホームパーティーが行われるシーンをよく見ますが、私の知っている範囲だと、アイルランドでは家の中にたくさんの人を招き入れる形のパーティーはあまり好まれないように感じます。(あくまで私の知る範囲ですので、違ったらすみません。。。)
クラスの友達となると、保護者同伴でのパーティ参加になるので、不特定多数の人が家の中をウロウロされるのに抵抗がある、とアイルランド人の友人は言っていました。
特にコロナが流行ってからは、パーティー自体をしないか、もしくは公園に集まって野外でパーティーをする家庭も沢山です。
パーティーはどこで行われる?
小さいうちは公園に集まって一緒にプレイグラウンドで遊んだあと、ケーキやお菓子、ジュースを一緒に飲食し解散というパターンが多いですが、
大きくなってくると、仲のいい友達だけを誘い、ボールプールや室内アスレチックのある室内遊戯施設のバースデープランに申し込む人、
お家にお庭がある人は『Bouncy castleバウンシー・キャッスル』と呼ばれるエアートランポリン(イベント会場によくある巨大なゴリラとか犬とかの形をしたドーム型のエアー遊具で、子どもが中でぴょんぴょん跳ねてるあれです。)を自宅の庭に1日レンタルする人もたくさんいます。
また、お金を払って人形劇やマジック、フェイスペインティング、バルーンアート、ゲームなどをやってくれるプロを呼ぶ保護者もいます。
海賊やプリンセスなど子どもの希望するテーマに沿って年齢や参加人数に合わせてパーティを進行してくれます。
娘も一度保育園のお友達から誘われて参加したことがありますが、さすがプロ!子どもを楽しませるツボを心得ています。
こんな商売もあるんだなと感心させられるとともに、
日本だったら保育園の誕生会の出し物として保育士たちが当たり前のように無償でやっている事だなと感じ、
日本の保育士や幼稚園教諭のクオリティの高さ、求められるものの高さも改めて実感させられます。
日本人が保育園の誕生会でやるような出し物をやればこちらでは大人気になる事間違いなし!です。
誘い方は?誘われたら?
誘い方としては、保護者がクラス全員分の招待状を作り、保育士に頼んで、それを子どもたちのカバンに入れたり保護者1人1人に手渡したりしてもらいます。
招待状には返信期限と連絡先が書かれています。
参加するかしないかの返事は、保護者間でのやり取りになり、保育園は一切かかわりません。
子どもがバースデーパーティーに誘われたら、保護者は付き添いで行く必要があり、
お誕生日プレゼントとバースデーカードを持っていくのが暗黙のルールです。
Goodie bag グディ・バッグってなに?
パーティーの最後に、パーティー主催者からもらう小さなおみやげ袋の事です。
小袋のスナック菓子やグミ、チョコレートなどとともに、シャボン玉(bubbles)シール(stickers)、スーパーボールなどの小さなおもちゃ(屋台の外れくじの景品でもらうような細々としたガラクタおもちゃがほとんど)が入っています。
誕生会に参加した子は、帰る際に「今日は来てくれてありがとう」と、一人ひとりバッグをもらいます。結婚式の引き出物を帰りにもらうイメージです。
まとめ
今回はアイルランドの誕生日にまつわることをまとめました。
この記事が皆さんのお役に少しでも立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
何か質問などありましたら、どうぞお気軽にメッセージを送ってください!
私のわかる範囲でお答えさせていただきます。