日本で卒園シーズンと言えば3月ですが、ここアイルランドではいつでしょうか?
卒園シーズンは何月?
いったい何歳で卒園するの?
卒園式はどんな風に行われるの?
服装は?
卒園アルバムはあるの?
謝恩会はある?
保護者から担任の先生へのプレゼントはあるの?
などなど、
私自身もアイルランドで働き始めるまで知らなかったことだらけでした。
今回の記事では、『卒園』に関するあれこれを、小学校入学の事にも少し触れながら
解説していきます!
アイルランドで保育士になりたいと思っている方、海外の保育に興味のある方、アイルランドで子育て中(もしくは予定のある方)などに、アイルランドと日本の違いを知っていただけたら嬉しいです!
アイルランドの卒園シーズンはいつ?
6月の下旬です!
アイルランドの子どもたちは、
新学期が9月に始まって、6月に卒園します。
卒園後は、2か月間の夏休みに入ります。
な、ながい(笑)
いったい何歳で卒園するの?
4歳~5歳です。
アイルランドでは、0歳から5歳までがクレッシュに通えますが、
早い子では4歳で卒園し、小学校に通い始めます。
『早い子では』と書いたのには理由がありまして、
アイルランドでは、小学校に入学できる児童の年齢に幅が持たせてあります。
9月の時点で4歳になっている子から小学校に入学でき、
遅くても6歳までには小学校に通い始めなければならないというルールがあります。
なので、保護者の判断で小学校入学の年齢を決めることができます。
4歳で入学する子、5歳になるまで待ってから入学する子、と様々です。
ちなみに、卒園からちょっと話が逸れますがせっかく小学校について話題に上がったので
小学校についても少し触れたいと思います。
必要のない方は、以下を飛ばして読んでください。
アイルランドでは小学校は英語でなんて言う?
Primary schoolもしくはNational school(プライマリー・スクール/ナショナル・スクール)
と呼びます。
私は、中学校の英語の授業で、小学校はElementary school(エレメンタリー・スクール)と習いましたが、これはアメリカでの小学校の呼び方です。
イギリス英語を使うアイルランドでは使う人はいません。ご注意ください!!
大人同士の会話で小学校について話すときは、
プライマリースクール、ナショナルスクールと言いますが、
子ども達にはすこし難しい英語なので、子どもたちと話すときは
“大きい子の行く学校”
“大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんが行く学校”という意味で
Big school(ビッグ・スクール)
または
Big boy school(ビッグ・ボーイ・スクール)/Big girl school(ビッグ・ガール・スクール)
と呼ぶ事が多いです。
何年間小学校に通うの?
アイルランドでは8年間小学校に通います。
初めの2年間はInfant classインファント・クラスと呼ばれる教室で過ごします。
小学校の敷地内、もしくは校舎内に教室がありますが、
インファントクラスでは、
歌やゲーム、劇あそび、工作などを通して、楽しみながら数や読み書きを習っていきます。
教室にはブロックやままごとなどのおもちゃもあります。
“小学校に上がる”とは言っても、実際はプリスクールの延長のような感じです。
イメージとしては、小学校の建物の中に、保育園の年長クラスがある感じです。
初めの2年間は、とにかく遊びを中心に学校生活や集団生活に慣れることが目的とされています。
その後は本格的に6年間の小学校生活が始まります。
日本では4月の入学シーズンによく聞く『小1プロブレム』なんて言葉がありますが、
アイルランドでは、保育園と小学校の間にインファントクラスという2年間のワンクッションが置かれていることで、保育園から小学校への移行が日本よりスムーズに行えるのではないかと個人的には思います。
小1プロブレムとは、、、
保育園でのびのびと自由に過ごしてきた子供たちが、小学校に入った途端そのギャップに戸惑ってしまい、新しい環境に順応しづらい現象のことを言います。
授業中にじっとしていられなかったり、先生の話を聞くときにお友達と話してしまうなどが例として挙げられます。
学年の呼び方は?
インファント・クラス
1年目を Junior infants(ジュニア・インファンツ)
2年目は Senior infants(シニア・インファンツ)
と呼びます。
その後の6年間の小学校の学年は、class(クラス)と呼びます。
First class(ファースト・クラス)
second class(セカンド・クラス)
third class(サード・クラス)
fourth class(フォース・クラス)
fifth class (フィフス・クラス)
sixth class(シックスス・クラス)
と学年が上がっていきます。
日本式の学年の数え方に慣れすぎてしまっている私には、アイルランド式の数え方は本当にややこしく、職場のクレッシュのアフタースクール(学童保育)に通う子供たちと学年の話をする際はいつも、“結局この子は日本でいう何年生なんだろう?というか何歳!?”と、
頭が一瞬いつも真っ白になります。(笑)
小学校の種類は?
アイルランドでは、大きく分けて4種類の小学校があります。
- カソリック系の小学校、
- プロテスタント系の小学校、
- 無宗教の小学校(Educate togetherエジュケート・トゥギャザー)、
- アイルランド語のみ話す小学校(ゲーリックスクール)
カソリック系とプロテスタント系の学校は教会の隣に建てられていることがほとんどで、
宗教上、女子校、男子校と分けられていることも多いです。
日本では、私立に行かせない限り、自分の住む地域にある小学校に入学することがほとんどですが、こちらアイルランドでは、日本のように簡単にはいきません。
自分の宗教がある人はそれに従った学校に入学希望を出します。
あとは、人気の学校には早めに入学希望の申し込みをして“待機者リストwaiting list”に自分の子どもの名前を載せてもらう必要があるのです。
ゲーリックスクールは特に人気です。
親がアイルランド語が話せることがまずは入学の必須条件であり、それに満たない子は願書すら出せません。
兄弟姉妹がすでに入学していたり、コネがない限りなかなか入れないと聞きます。
他にも、無宗教の学校エジュケート・トゥギャザーもとても人気で、待機者リストの数が多すぎて自分の希望する学校に入れなかったなんて話も本当によく聞きます。
なので、みんな自分の家から通える範囲の距離(Catchment Areasキャッチメント・エリアと呼ばれます)にある学校にはとりあえず片っぱしから何校にも入学希望の申し込みをするのです。
でも、そこがどんな学校でどんな雰囲気なのかなどを知るすべはなく、とにかく近所の人に評判を聞くしかありません。
もう少し簡単なシステムになるといいのですが、、、
卒園式で歌われる人気の歌は?
Dynamite (kindergarten graduation version)
Taio Cruz (タイオ・クルーズ)が2010年にリリースしたDynamite(ダイナマイト)という曲の替え歌です。
どうやら、アメリカのMinford kindergartenという幼稚園で2014年に作られたものが
世界中の幼稚園に広がり多くの卒園式で採用されているようです。
Thank you -Patty Shukla
on my way -Phil Collins
you’ve Got a Friend in me – Randy Newman
「ありがとうさよなら」「はじめの一歩」「思い出のアルバム」「大切なたからもの」
などなど、しんみりと感動の涙を誘う日本の卒園式の歌とは全く逆で、
ノリのいい曲で、思わず踊ってしまいたくなる曲が多いです。
大きくなった喜びを歌ったり、これから来る明るい未来に希望が持てるような前向きな歌詞ばかりです。
サングラスや空気で膨らませるギターなどの小道具を使ったりしながら、
子どもたちもノリノリで歌って踊ります。
卒園式中に、悲しくて泣いてしまう子供は、今のところ、私は見たことがありません。
卒園式の服装は?
普段着で登園です!
卒園児はクレッシュが用意したガウンとキャップを洋服の上から着させてもらいます。
日本の卒園式ように袴を着たり、おしゃれ着を着て登園することはありません。
6月の暑い時期なので、Tシャツと短パンで登園してくださいとむしろ保護者にお願いするほどです。
スタッフの服装は普段通りのユニフォームだったり、黒の上下で担任同士でお揃いにしたり、クラスTシャツを作ったりとその年によって、園によってさまざまですが、
日本のようにスーツや袴のような正装をすることはまずありません!
保護者の服装も至ってカジュアルです。
キレイめのワンピース等を着ているお母さんもいることはいますが、大体は普段着です。
式の流れは?
日本の卒園式では、園長挨拶、来賓からの祝辞、卒園証書授与、呼びかけ、歌が定番の流れですよね?
ピリッと厳粛な空気で、会場にいる全員がとても緊張して式が執り行われます。
アイルランドのクレッシュでは、もちろん園によってやり方は様々だと思いますが、
私の知っている範囲ですと、
アットホームでほんわか~と式が進行していきます。
園長挨拶の後は、写真のスライドショーを見たり、
子供たちの歌や踊りの出し物を見たりします。
卒園する子どもたちがポエムの一節づつを暗記して発表したりもします。
歌や踊りといっても、生活発表会のような形で、普段の保育で歌ったり踊ったりしていることを保護者の前でそのまま発表する感じです。
とにかく、とてもリラックスしていて、楽しい雰囲気で進行していきます。
参列者は?
卒園児
同じクラスの年下の子たち
保護者
担任
主任
園長
です。
3歳以下の他のクラスは普段通りの保育を行います。
ここでのポイントは、
卒園児だけでなく、その同じクラスに在籍する年下の子どもたちも一緒に参加することです。
(3歳からは異年齢児合同保育になるので、3歳から5歳の子が一緒の保育室で毎日を過ごしています。自分の子どもを2年保育にするか3年保育にするかは保護者の判断で決めることができます。)
年下の子どもたちが参列する理由は、卒園児を祝うためというのはもちろんですが、
次の年、いざ自分の番になったときに卒園式のイメージがしやすいように、との予行練習も兼ねています。
卒園記念アルバムはあるの?
私の知る範囲では、ありません。
でも、もしかしたら、園によってはあるところもあるのかもしれません、、、
ある園をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください!
私の職場、娘のクレッシュでは
卒園用のガウンとキャップを着用して、個人の卒園記念写真を撮ります。
日本では写真アルバムが卒園記念として渡されることが多いと思いますが、アイルランドでは、スクラップブックが渡されることが多いです。
スクラップブックとは、子供たちの工作や描いた絵、たまに写真が保育士のコメントと共に一冊の本に貼られたものです。
私の職場では、その子が入園したときから定期的に作品を貼っていき、卒園するときにプレゼントしています。長い子では、5年分の作品が一冊にまとめられていて、保護者達はいつも感動してくれています。
謝恩会はあるの?
ありません。
卒園式の後はみんなあっさり解散です。
保護者からのプレゼントはあるの?
あることがほとんどです。
本当にありがたいです。
多くの家庭から、心のこもったメッセージカードとともに
バウチャー(商品券またはギフトカードの事です)
ワイン
チョコレート
花束
キャンドル
マグカップ
化粧品
などをいただくことが多いです。
まとめ
今回の記事では、アイルランドのクレッシュの卒園式について色々とまとめてみました。
日本との大きな違いは、とにかく式がしっとり、しんみりしていないことです。
保護者も、子どもたちも、笑顔でほんわかと式が進行していきます。
私は、日本式の感動する卒園式も思い出に残って好きですが、アイルランド式の笑顔がいっぱいのしんみりしない卒園式もさっぱりしていて好きです。
この記事が誰かのお役に少しでも立てたらうれしいです!
次回は夏休み中のサマーキャンプについてや、入園・進級式についても書いてみたいと思っています(ブログ更新の意欲だけは十分にあるのですが、実際なかなかアップできないので、次の投稿がいつになるかはわかりませんが、、、)
ブログにとりあげてもらいたいテーマやご質問などありましたら、ぜひお気軽にコメント欄に投稿もしくはメッセージを送ってください!
メッセージをいただいた方々、いつもブログをお読みいただいている皆さん本当にどうもありがとうございます。
今回もさいごまでお読みいただきありがとうございました!