流行り目、水ぼうそう、手足口病、インフルエンザに咽頭炎、、、
保育士の方や、お子さんを保育施設に預けている保護者の方はよ~くご存じだと思いますが“保育園は菌の巣窟”なんて言っても過言ではないくらい、一年中何かしらの病気が流行しています。
特に保育園に入園して1年目の子どもは(新卒の新人保育士も!!)、鼻水と咳が出ていない時の方が珍しいほどで、本当に次から次へと新しい病気をもらって帰ってきます。
「この前も仕事を休んだばかりなのにどうしよう」と子どもの病気が保護者達の頭を悩ませるのは、ここアイルランドも同じ!世界共通の悩みです。
アイルランドの保育園(クレッシュ)で働き始めた当初、私は恥ずかしながら英語での病名は一つも知りませんでした。(つまりその程度の英語力でした。)
その都度ケータイで調べたり、同僚に聞いたりしながら何年もかけて一つずつ覚えて言った感じです。
「子どもの感染症の英語名が一覧表になってたら便利なのにな~」と思った過去の自分の経験から、今回の記事を書くことに決めました。
記事の最後に、最近イギリスとアイルランドで子どもの間に大流行している Strep A(ストレップA)という感染症についても触れたいと思います。
今回の記事が、アイルランドをはじめ、英語圏で保育士になりたいと思っている方や、海外で子育て中の方の役に少しでも立てると嬉しいです。
そもそも感染症って英語でなんて言うの?
Infectious disease インフェクシャス・ディズィーズや
Contagious disease コンテイジャス・ディズィーズと言います。
InfectiousもContagiousもどちらも感染するという意味ですが、
厳密に言うと
細菌(バクテリアやウイルス)が体の中に入って感染することをInfectious diseaseといい、それが人から人へ接触感染していく風邪やはやり目などの病気はContagious diseaseです。
Contagiousという言葉は病気の話をする際本当によく使うので覚えて損はありません。
子どもの感染症一覧
英語の病名 | 読み方 | 日本での病名 |
Flu | フルー | インフルエンザ |
Covid | コビット | コロナ |
Chicken pox | チキンポックス | 水ぼうそう |
Hand,foot and mouth | ハンド・フット・アンド・マウス | 手足口病 |
Conjunctivitis | コンジャンクティバイティス | 結膜炎(はやり目) |
Impetigo | インペタイゴ | とびひ |
Scarlet fever | スカーレットフィーバー | しょうこう熱 |
Slapped cheek | スラップト・チーク | りんご病 |
Diarrhea | ダイアリア | 下痢 |
Vomiting | ボーミティング | 嘔吐 |
Head lice | ヘッド・ライス | あたま虱(しらみ) |
Threadworms | スレッドワームス | 蟯虫(ぎょうちゅう) |
Scabies | スケ―ビーズ | 疥癬(かいせん) ※ダニによる皮膚病 |
Tonsillitis | トンスィルアイティス | 扁桃腺炎 |
Whooping cough | フーピング・コフ | 百日咳 |
Mumps | ムンプス | おたふくかぜ |
Meningitis | メニンジャイティス | 髄膜炎 |
チキンポックスはなんでチキンなんだろう?と不思議に思ったり、ハンド・フット・マウス(手足口病)って日本語も英語も症状を見たまま名づけたんだな、と笑ってしまったり、りんご病を“平手打ちして赤くなったほっぺ”と英語で呼ぶのがおもしろいと個人的に感じます。
Conjunctivitis コンジャンクティバイティス 結膜炎
「コンジャンクティバイティス」
何とも長くて言いにくい英語ですが、アイルランドの保育園(クレッシュ)で結膜炎は本当によく聞く感染症の1つです。
アレルギーなどで痒くて目をこすっていたり、目ヤニがついている子もたまにいますが、
結膜炎の子は
白目が明らかに充血している(bloodshot)
ねばついた緑の目ヤニが沢山出て、まつ毛に絡まっている(produce pus that sticks to lashes)
といった症状が当てはまるので、クレッシュで気が付いた際は様子を保護者に伝え、医者を受診してもらうようにしています。
子どもには
目をこすらないように
もしもこすったらすぐに石鹸で手を洗うように
そして保護者には、
タオルや枕の共有をしないように
声を掛けます。
抗生物質入りの目薬をGP(医者)に処方してもらい、保育園は目ヤニと充血の症状が落ち着くまで登園禁止です。
ちなみに目薬はeye drops (アイ・ドロップス)です。
目ヤニの掃除の仕方ですが、
手を石鹸でよく洗い、湯冷ましの水で(Cooled boiled water)濡らした清潔な綿球を使って、目の内側から外側に向かって優しく拭き取ります。
拭き取った後もよく手を洗います。
風邪の症状のあれこれ 英語でなんて言うの?
風邪をひいている時の症状として、悪寒、発熱、鼻水、咳、鼻づまりなどいろいろと症状があります。
ご存じの方も多いと思いますが症状の英語も一応一覧にします。
【症状】は英語でsymptom シンプトムと言います
症状(英語) | 読み方 | 日本語 |
fever / high temperature | フィーバー/ ハイテンパレチャー | 熱 |
shivering/ chills | シバリング/ チルズ | 悪寒 |
Muscle aches | マッスル・エイクス | 筋肉痛 |
runny nose | ラニー・ノーズ | 鼻水 |
stuffy nose / blocked nose / Nasal congestion | スタッフィー・ノーズ/ ブロックト・ノーズ/ ナーザル・コンジェスチョン | 鼻づまり |
cough | コフ | 咳 |
sore throat | ソア・スロート | 喉の痛み |
hoarse | ホース | かすれた声 |
かすれた声になった時は “my voice is hoarse ホース” と言います。
Hoarse の発音は馬のhorse と同じです。
意味はかすれたガラガラの声の事です。
馬は全く関係ありません(笑)
私は最近まで、英語圏ではかすれてハスキーな声が馬のような声と表現するんだなと勝手に解釈・納得し、本気で勘違いしていました。(笑)
皆さんはお気を付けください!
また、
子どもが咳をする際、オットセイの鳴き声のような、犬の吠えるような苦しそうな咳は、
呼吸症状を表す言葉でCroupクループといいます。
クループもクレッシュで働いていてよく聞く症状の1つです。
I feel sick だけじゃない!!アイルランドで風邪のひき始めによく聞く表現を3つご紹介!!
Under the weather アンダー・ザ・ウェザー
The sniffles ザ・スニッフルズ
Head cold ヘッド・コールド
Under the weather アンダー・ザ・ウェザー
アイルランドでは「体調が悪い」という時によく使います。
初めて聞いたときは
???
天気の下??? どういう事??
と疑問に思った言い回しの1つですが、
寝込むほどの重症になる前の、なんか咳と鼻水が出て体調が優れないなあ。なんて時に
I’m feeling a bit under the weather と言ったりします。
もともとは、悪天候の時に船乗りが船酔いしたことが語源だそうです。
二日酔いやストレスを感じている時にも使える便利な表現です。
The sniffles ザ・スニッフルズ
Sniffは、「くんくんと嗅ぐ」という意味があり、鼻水をすする行為がそのまま症状として使われています。
つまりは鼻風邪です。
I have the sniffles 私は鼻風邪をひいています
という感じで使います。
Head cold ヘッド・コールド
これも鼻風邪です。
これは私が一番勘違いした表現です。
ヘッドコールド(頭の風邪)ときくと、一番に頭痛を思い浮かべてしまいますが、
鼻水がズルズルたれたり、鼻詰まりがある状態を指す事が多いです。
鼻風邪をひくと頭がボーっとして作業に集中しづらかったり、頭痛をおこしたりもするので、全部が間違いではありませんが、、、
Strep A ストレップ・エーってどんな感染症?
ここ最近、アイルランドでは、Strep Aストレップ・エーと呼ばれる病気
が子どもの間で流行し始めています。
正式には
Group A Streptococcal infection と言いますが、
ニュースではGroup A Strepと言ったり、Strep Aと呼ばれます。
日本名はA群溶血性レンサ球菌です。
重症化して死に至るケースも報告されており、先日、アイルランドの保健省HSE(Health and Safety Exective)から緊急の注意喚起がクレッシュ(保育園)にも届きました。
園内での張り紙や、全保護者への一斉メールを通じて、
“子どもの体調をよく観察し、咳や鼻水などの症状がある子、体調が優れない子を園に登園させないように”
と、お知らせをしています。
StrepAと聞くと、ものすごく難しい病気のように聞こえますが、
簡単に言うと、のどが痛くなって熱が出る病気です。
抗生物質を飲めばほとんど良くなるそうですが、
ニュースでは“Scarlet fever猩紅熱”と“Meningitis 髄膜炎”で死亡に至ったイギリスと北アイルランドの子どものニュースが取り上げられていました。
普通の風邪だと思って抗生物質を与えなかったことによって症状が悪化してしまったようです。
日本のお医者さんはすぐに抗生物質を処方してくれるイメージがありますが、
こちらアイルランドのGP(お医者さん)はなるべく抗生物質に頼らず自然に治るのを待つ方針の方が多いように感じます。
私個人の経験と同僚の保育士たちの医者あるある話ですが、
アイルランドでは医者にかかっても、大体渋られながら抗生物質を出してもらう感じです。
とにかく熱が落ち着くまで鎮痛解熱剤を飲ませて熱を下げ続けろと言われます。
アイルランドで子育てをする予定の皆さん、カルポールとニューロフェンは必須です!!
カルポールとニューロフェンについては、以前の記事でも話題に出していますのでよろしければ合わせてお読みください。
今回のストレップAの流行を受け、アイルランドのお医者さんも以前に比べ、より積極的に抗生物質を処方してくれるようになっているそうです。
Strep A がもたらす主な症状
tonsillitis扁桃腺炎
pharyngitisファランジャイティス咽頭炎 (sore throatソア・スロートという方が一般的)
impetigoインパタイゴ とびひ
薬の英語
Antibiotics アンティ・バイオティクス 抗生物質
Paracetamol (calpol)パラシータモル(カルポール)
Ibuprofen (nurofen)イブプロフェン(ニューロフェン)
まとめ
今回の記事では、アイルランドの保育園でよく聞く感染症の英語名をまとめました。
私も、日本の保育園で働いていた時には、本当によく耳鼻科のお世話になりました。
当時、抗生物質の力を借りて治し、少しづつ免疫を付けてきましたが、ここアイルランドの保育園で働き始めた当初は、病気の型が日本と違うのか、振り出しに戻ったようにしょっちゅう熱を出していました。
今年はコロナとインフルエンザ両方同時に流行しているそうで、私の周りにも体調を崩す人が増えています。
インフルエンザの予防接種がコロナ重症化の予防にもつながるそうで、子どもたちへの接種をアイルランド保健省のHSEがラジオなどでよく勧めています。
ちなみに、2-17歳の子どもは無料です。
ここ、アイルランドでは、子どものインフルエンザの予防接種は注射ではなく、鼻からシュッシュとスプレーするタイプを採用しています。
鼻の粘膜からスプレー後すぐに直接吸収されるそうで、鼻をすぐにかんでしまっても大丈夫なのだそうです。
子どもが注射針からの痛みを感じなくて済んで、私は本当に嬉しいです。
この冬、皆さんも体調を崩されませんよう、どうぞお気をつけください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
なにかご質問などございましたら、どうぞお気軽にメッセージを送ってください。
私のわかる範囲でお答えさせていただきます。